味覚過敏とは?こどもと大人に多い特徴・症状・チェックリストまで徹底解説

「普通の味付けなのに、なんだかしょっぱすぎる…」「歯磨き粉の味がつらくて、毎日の歯磨きがイヤになってしまう」——そんな経験はありませんか?

それはもしかすると、「味覚過敏」のサインかもしれません。

味覚過敏とは、特定の味に対して過敏に反応してしまう状態で、子どもから大人まで、誰にでも起こりうるものです。

最近では、コロナ後遺症や発達特性との関連も注目されています。

この記事では、「味覚過敏とは何か?」という基本から、特徴や症状、原因、こどもへの影響、チェックリスト、治療や対処法まで、やさしく解説していきます。

はじめて知る方でも安心して読める内容になっていますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。

目次

味覚過敏とは?

味覚過敏」とは、食べ物や飲み物の味に対して、通常よりも強く反応してしまう状態のこと。

例えば、「しょっぱい」「甘い」「苦い」といった味を普通よりも強く感じてしまい、食べることがストレスになることもあります。

味覚過敏は、一時的なこともあれば、慢性的に続くこともあり、子どもから大人まで誰にでも起こる可能性がある症状です。

味覚過敏の特徴

味覚過敏の人は、他の人には気にならないような味に強く反応します。

そのため、普通に食べられるはずの食事が「味が濃すぎる」「口に入れたくない」と感じられ、結果として偏食や食欲不振につながることがあります。

中には「味だけでなく食感や匂いにも敏感」なケースもあり、複数の感覚が影響し合っている場合もあります。

しょっぱい味に対する症状の例

しょっぱいものに敏感な場合、例えばお味噌汁や梅干し、漬物といった日本の伝統的な食事も「舌がしびれる」「のどが痛い」と感じることがあります。

味のバランスが取れていても、本人には「塩だけを感じる」ような過剰な感覚として伝わってしまいます。

歯磨き粉がつらいと感じる味覚過敏の症状

ミント系の歯磨き粉などが「刺激が強すぎてつらい」と感じる人も多く、歯磨きそのものを避けたくなることもあります。

ミントやフッ素の風味が強い歯磨き粉を使うと、「ヒリヒリする」「気持ち悪くなる」と感じてしまい、歯磨き自体を避けるようになることがあります。

特に、子どもの「歯を磨きたがらない」原因が、味覚過敏であるケースも少なくありません。

味覚過敏の原因は何?

味覚過敏には、明確なひとつの原因があるわけではなく、複数の要因が関係していると考えられています。

体調の変化や病後の影響、発達特性、精神的ストレスなど、原因は人によって異なります。

原因を知ることで、対応や対処の仕方が見えてくることもあるため、丁寧に観察することが大切です。

原因① コロナ後遺症による味覚過敏

新型コロナウイルス感染後に、時的に味覚や嗅覚の異常を経験した人は少なくありません。

味が感じづらくなるだけでなく、逆に特定の味が強く感じられる「味覚過敏」の症状が残る場合もあります。

この症状は、時間とともに改善する場合もありますが、長期的に続くケースもあり、現在も研究が進められています。

明確な治療法は、まだ確立されていません。

原因② 発達障害と味覚過敏の関係

自閉スペクトラム症(ASD)感覚過敏の傾向を持つ子どもや大人の方は、味覚過敏や聴覚過敏などの症状が見られることがあります。

これは、脳の感覚処理の仕組みが独特であることが影響しており、「普通の味」が「過剰な刺激」として伝わってしまうのが原因です。

こうした感覚のズレは、本人には非常に強いストレスとなり、日常生活に影響することも少なくありません。

原因③ ストレスや栄養面など

ストレス睡眠不足ホルモンバランスの乱れなども味覚過敏の一因になることがあります。

また、鉄分や亜鉛、ビタミンB群が味覚に影響するので、栄養不足によって味覚が過敏になるケースもあります。

また、特定の薬の副作用で一時的に味覚に異常が出ることもあり、生活習慣や体調の変化に気をつけることも大切です。

味覚過敏のチェックリスト

味覚過敏かどうかを判断するには、日々のちょっとした違和感に気づくことが大切です。

医療機関を受診する前に、簡単なチェックリストを使ってセルフチェックを行うことで、自分の傾向をつかむ手がかりになります。

また、ご家族やお子さんに対しても活用できるため、周囲の理解を深めたり、サポートしたりする場合にも役立ちます。

味覚過敏のセルフチェックリスト

このチェックシートは、診断するものではなく、味覚過敏の可能性を自己評価するためのものです。

「はい」または「いいえ」でチェックを入れてみてくださいね。

No.チェック項目はいいいえ
1普通の食事でも「しょっぱい」と強く感じることがある。
2歯磨き粉(特にミント系)で口の中が痛くなる、不快に感じる。
3甘いものや苦いものに敏感に反応する。
4食事中に顔をしかめたり、食べるのを嫌がることがある(特に子ども)。
5同じ料理でも、他の人と味の感じ方が違うと感じることがある。
6食べ物の味が強すぎて、食欲がなくなることがある。
7コロナ感染後、味覚の違和感や過敏さが続いている。
8発達障害の診断・傾向があり、感覚過敏もあると指摘されたことがある。
9特定の食品(スナック菓子、濃い味の料理など)を避ける傾向がある。
10食事や歯磨きに対するストレスや不安を感じることがある。

診断の目安
「はい」の項目が3つ以上ある場合、味覚過敏の傾向があるかもしれません。必要に応じて、医療機関や専門家に相談してみましょう。

チェック結果の活用方法

セルフチェックの結果は、そのままにせず記録しておくことが大切です。食事内容や行動の記録を簡単につけておくと、傾向の把握に役立ちます。

記録をしておくことで、医療機関に相談するときにも、自分やお子さんの状態を正確に伝えやすくなります。

チェックの対象(自分・こども)の切り替え方法

チェックするときのポイント
  • 自分の体調や感覚を、直感で答えてみましょう。
  • 言葉で表現するのが難しい場合は、日常の行動や表情、好き嫌いの傾向を観察しましょう。

チェック項目は、大人にもこどもにも使える内容になっていますが、対象によって確認方法が異なります。

こどもに対しては、無理に答えさせるのではなく、保護者が気づいたことをもとに判断してあげましょう。

相談するタイミングと相談できる専門機関

セルフチェックの結果、3つ以上「はい」があり、日常生活に影響を感じるようであれば、専門機関への相談を検討してみましょう。

症状や年齢に応じた相談先をまとめたので、参考にしてみてくださいね。

スクロールできます
相談先症状・対象内容
耳鼻咽喉科食事に関する味の違和感、しょっぱさの異常味覚障害、嗅覚異常などの検査・治療
小児科子どもの偏食、感覚過敏の傾向成長発達や体調に関する総合的なチェック
発達相談窓口
児童発達支援センター
発達特性に関連する味覚の敏感さ感覚統合や発達特性への理解とサポートの提案
心療内科
精神科
日常生活への影響や精神的なストレス不安やストレスへの対応、必要に応じた心理支援等

子どもの味覚過敏に注意したいこと

味覚過敏は、大人よりもこどもに多く見られることがあります。

特に発達段階にあるこどもは、味やにおい、食感への感覚が非常に敏感で、それが食事や歯磨きなど日常の行動に影響を与えることも少なくありません。

「偏食がひどい」「食べ物を見ただけで拒否する」といった様子が見られる場合、ただの好き嫌いではなく、味覚過敏の可能性も考えられます。

子どもによくある「味覚過敏」のサイン

味覚過敏のサイン
  • 食べる前から「においがいや」「気持ち悪い」と言って拒否する
  • 特定の味(しょっぱい・すっぱいなど)に極端に反応する
  • 飲み込む前に、口から出すことが多い
  • 食事のたびに不機嫌になる、泣く、怒るなど情緒的な変化がある
  • 初めての食べ物に対して、とても慎重

子どもの味覚過敏は、偏食や食事の拒否として現れやすいです。

これらの行動が継続的に見られる場合は、単なるわがままとして叱るのではなく、「もしかしたら味覚過敏かも」と一歩立ち止まって考えてみることが大切です。

早めに気づいて対処することで、ストレスを減らすことにもつながっていくでしょう。

子どもがしょっぱい味を嫌がる場合の対処法

食事への対処法
  • 食材自体の味を活かす、薄味の調理法に切り替える
  • 出汁や香りを工夫して、塩分を抑える
  • 無理に完食させず、小さな量から慣れさせていく

しょっぱい味に対して過敏なこどもには、味付けを工夫しながら、少しづつ慣らしていきましょう!

家庭内で食べられる範囲の味付けや食材を見つけて、「これなら大丈夫」という成功体験を積ませてあげることが、克服の第一歩につながります。

歯磨き粉を嫌がるこどもへの工夫と対策

歯みがきへの対処法
  • 無香料・無味の歯磨き粉や、低刺激タイプを選ぶ
  • ミント系ではなく、フルーツ風味などマイルドなものを試す
  • ブラシのサイズや毛の硬さもチェック
  • お気に入りのキャラクターが描かれた歯磨き粉を使って、モチベーションを上げる
  • 歯磨きタイムを「遊び」として楽しく演出する(歌やタイマーなど)

歯磨き粉の味や刺激に対して過敏なこどもは、毎日の歯磨きをつらく感じてしまいます。

無理に歯磨きを続けさせるより、本人が「これなら大丈夫」と感じる選択肢を増やすことが大切です。

少しずつ慣れていくように、焦らず対応していきましょう。

HSC・HSP(繊細さん)と味覚過敏の関係とは?

味覚過敏は、感覚が非常に敏感なタイプの人に多く見られる傾向があります。

近年注目されている「HSC(ひといちばい敏感な子)」や「HSP(ひといちばい敏感な人)」の特性を持つ方にも、味や匂いなどの感覚に強く反応する方が多く存在します。

HSC・HSPの特徴と感覚の敏感さ

主な特徴
  • 音がうるさく感じる
  • 服のタグや素材が気になる
  • 明るい光や匂いに敏感
  • 味に対して「濃すぎる」「変な感じがする」と強く反応する

HSC・HSPは、生まれつき感覚が鋭く、環境の変化や他人の気持ちなどにも敏感に反応します。
特徴としては、五感が敏感になることが多いです。

これは性格や育て方によるものではなく、脳の感覚処理の仕組みに関係していて、物事を深く考えやすく慎重になりやすい傾向があります。

味覚過敏との関係

感じる症状の例
  • 味が強すぎて気分が悪くなる
  • 食感や温度の違いに敏感
  • 味覚過敏がきっかけで、食事そのものに不安を感じてしまう

HSC・HSPの人にとっては、味も“感覚刺激”のひとつです。

特に味覚は、食事や日常生活に直接関わるため、過敏さが強く出る場面も多くなります。

気にしすぎと思われることが多いですが、本人にとっては、ストレスになるくらいの体験で、単なる好き嫌いや気まぐれではありません。

HSC・HSPの傾向がある方へのサポート方法

サポート方法
  • 味の刺激が少ない食品から始め、食べられる物を少しずつ広げる
  • 「無理に食べさせる」のではなく、「安心できる味」を見つける
  • 食事の時間をプレッシャーではなく「楽しい時間」にする
  • 感覚の違いを「わがまま」ではなく「個性」として受け入れる

HSC・HSPの傾向がある場合、感覚過敏に合わせたやさしいサポートが大切です。

特にこどもに対しては、理解されるということで、安心できる環境が生まれます。

「あなたの感じ方は大切なんだよ」と伝えてあげることで、自己肯定感を育むことにもつながっていきます。

味覚過敏の治療と対処法

味覚過敏は、「一時的なもの」から「慢性的な感覚特性」まで、人によって症状が変化します。

そのため、完全に治る場合もあれば、症状とうまく付き合っていく必要があるケースもあります。

大切なのは、本人の感じ方を尊重しながら、無理なく快適に生活できるように工夫していきましょう!

味覚過敏は治る?治療の選択肢

味覚過敏が必ずしも「病気」ではないことから、根本的な治療法は明確に定まっていませんが、原因によっては改善が期待できます。

医師や専門職と連携して、原因に合った対処法を見つけていくのが重要です。

一時的な原因(風邪やコロナ後遺症)
味覚を司る神経が一時的にダメージを受けている場合、時間の経過とともに自然回復することもあります。

栄養バランスの乱れ
鉄分や亜鉛、ビタミンB群などの不足が原因の場合、栄養補助や食事改善で症状が和らぐことがあります。

発達特性や感覚過敏
感覚統合療法や作業療法(OT)、心理的アプローチによって、感覚に対する耐性が少しずつ育まれていくこともあります。

症状が出やすい食品を避ける「対処法

毎日の食事でできる工夫も、味覚過敏とうまく付き合うための有効な手段です。

個人差があるため、「これなら食べられる」という安全な選択肢を少しずつ増やしていくことが重要になっていきます。

対処法①】 味の強い食品を避ける
しょっぱいもの、辛いもの、苦味の強いものは控えめに。自然な甘味や出汁で味を整えると◎。

対処法②】 料理法を見直す
蒸す、煮る、茹でるなど刺激の少ない調理法を選ぶことで、味の角が取れやすくなります。

対処法③】 食品の温度に気をつける
:熱すぎる、冷たすぎるなど温度差も刺激になります。常温〜ぬるめの温度を目安にしましょう。

対処法④ 加工食品を減らす
化学調味料や香料が多く含まれる食品は、味覚過敏の人には強すぎる場合があります。

味覚過敏の方への支援・サポート方法

チェックリストの活用方法
  • 家庭内でのサポート方法を共有
  • 学校や保育園への共有
  • 医療機関への資料としての提示

味覚過敏は「見えない困りごと」だからこそ、周囲の理解と連携が非常に大切です。

その子(人)が持っている特性を周囲の人が理解する上で、チェックリストが有効になります。

具体的な症状がわかることで、支援する側のサポートや理解につながるので、ぜひ活用してみてくださいね。

おわりに

味覚過敏とは、味に対する感じ方が人よりも敏感になってしまう状態で、しょっぱい、甘い、苦いといった味が強く感じられることで、食事や歯磨きにストレスを感じることがあります。

特に子どもは、自分の感覚をうまく言葉にできないため、偏食や拒否反応として表れることもあります。周囲の理解と支援が、安心して暮らすためのカギになります。

この記事で紹介したチェックリストや対処法を活用しながら、本人の感覚に寄り添い、無理のない方法で少しずつ対応していくことが大切です。

困ったときは、医療機関や専門家への相談も選択肢のひとつ。味覚過敏とうまく向き合いながら、心地よい毎日を目指していきましょう!

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